ドイツの弦楽器製作の中心地「ブーベンロイト」の隣町エアランゲンに生まれたトーマス・ヴァンダーハイド。若くしてペゾルト工房で弦楽器製作を学び、その後ミッテンヴァルトの製作学校を卒業。2004年にはマイスターの国家資格を取得しました。その後、ドイツ、スイスを中心に著名な工房で修行を重ねました。
現代ドイツを代表する製作家に成長
2008年と2009年にはハンブルクの名門工房「ヴィンターリンク」の工房長を務め、工房の閉鎖に伴い多くの工具や材料を譲り受けたヴァンダーハイド。2012年には自身の工房を開設します。そして、数多くの名器の修復や調整に関わるうちにその才能を認められ、ついに資本家の出資を受けてヨーロッパ有数の金融都市フランクフルトの一等地に工房を構えるに至りました。工房には、アマティ、ガルネリ、ストラディヴァリ、ガリアーノなどの名器が修復や調整、委託販売のために持ち込まれ、所狭しと並べられています。
バイエルンの美しい街「バンベルク」の工房
現在はフランクフルトにドイツ有数の工房を構えるに至ったトーマス・ヴァンダーハイド。そんな彼も2012年にバイエルンの美しい街バンベルクに小さな工房を開設したところからキャリアをスタートさせました。当地にはバンベルク交響楽団があり、楽団付きの楽器調整担当者として世界各国の演奏会に帯同し、来日公演にも随行しました。現在もバンベルクの工房は手放さず、自身の楽器製作の場とすると共に、若手のドイツ人製作者たちを迎え入れて工房製弦楽器を製作する場として活用しています。
バンベルクで製作される工房製弦楽器
今回ご紹介するのは、ヴァンダーハイドがバンベルクの工房で製作した工房製のヴァイオリン、ヴィオラ、そしてチェロです。ドイツの伝統的な製作方法に則り、高い精度で製作された楽器であると共に、数多くの名器に接し「本物の音」を知り尽くしているヴァンダーハイド本人が仕上げ、セットアップを行なっているために、他の同価格帯のドイツ製弦楽器とは一線を画した高い完成度を誇っています。
ヴァイオリン「Model-1」
工房製ヴァイオリンのスタンダードモデル。バンベルクの工房において、ヴァンダーハイドが設計したオリジナル・モデル(アントニオ・ストラディバリの楽器を元にしたモデル)をもとに、材料の選定、アーチング、板の厚みなど、音を決定付ける様々な要素を慎重に考慮して製作されています。「セットアップ/最終調整」はヴァンダーハイド本人が行なっています。本格的なアンティーク仕上げが施されており、温かく豊かな音色をストレスなく発音させることができる楽器です。
ヴァイオリン「Model-2」
工房製ヴァイオリンの上位モデル。バンベルクの工房において、ヴァンダーハイドが設計したオリジナル・モデル(アントニオ・ストラディヴァリの楽器を元にしたモデル)をもとに、材料の選定、アーチング、板の厚みなど、音を決定付ける様々な要素を慎重に考慮して製作されています。「ニス塗り/セットアップ/最終調整」のほか、楽器のポテンシャルを決定する「サウンド・チューニング」も、ヴァンダーハイド本人が行なっている点が重要です。パワーと遠達性に優れ、高いパフォーマンスを求める方にお勧めの楽器です。
ヴィオラ「Model-1」
工房製ヴィオラのスタンダードモデル。バンベルクの工房において、ヴァンダーハイドが設計したオリジナル・モデル(ブラザー・アマティの楽器を元にしたモデル)をもとに、材料の選定、アーチング、板の厚みなど、音を決定付ける様々な要素を慎重に考慮して製作されています。「セットアップ/最終調整」はヴァンダーハイド本人が行なっています。サイズは「40.5cm」と日本人にも扱いやすい上に、ボディ下部が大きな設計のため音量・音質と共に、ヴィオラらしい深い音色をスムーズに発音させることができる楽器です。
チェロ「Model-1」
工房製チェロのスタンダードモデル。バンベルクの工房において、ヴァンダーハイドが設計したオリジナル・モデル(アントニオ・ストラディバリの楽器を元にしたモデル)をもとに、材料の選定、アーチング、板の厚みなど、音を決定付ける様々な要素を慎重に考慮して製作されています。「セットアップ/最終調整」はヴァンダーハイド本人が行なっています。重厚なアンティーク仕上げは見た目に迫力があり、またドイツ製のチェロらしい豊かで力強い音色が魅力の楽器です。
トーマス・ヴァンダーハイドの工房製弦楽器は、生産数が少ないため在庫が限られております。試奏をご希望の方は【こちら】からお問い合わせください。